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人生を変えるコンタクトレンズ

いま自然界に大きな異変が起きつつあります。 1950年なかごろから、生殖能力を失った生物が増え始めました。
人間にも、精子の減少など、これまで考えられなかった異常がはっきり見られるようになっています。 その原因を探っていくと、いずれも、特定の化学物質がホルモンに影響をもたらした結果、起きたものでした。
細胞が体にとって大切な指役割を果たす物質をつくり、放出することを、分泌といいます。 分泌には、外分泌と内分泌があります。
細胞がつくり出す物質が導管(水分などを送る管)を通して放出される現象が外分泌で汗腺を通して出る汗、唾液腺を通して出る唾液などがこれにあたり、通常は体外に放出されます。 それに対して、血液中に放出され、血管を通して他の場所に運ばれて働く現象が内分泌です。
血管を通して運ばれた物質は、きわめて微量でも各器官に触媒のような形で作用して、臓器や組織の反応を促進したり抑制します。 そうした内分泌物質がホルモンです。

ホルモンとは、もともとギリシャ語で「刺激する」という意味。 わずかな量でも、たとえば体液の量を保ったり、血圧を上げたり下げたりしながら、体のバランスを保つうえで重要な役割を果たしています。
ところが、体の中に入った化学物質はちょうどホルモンのように働き、体内の反応を撹乱するのです。 人為的につくり出された物質がこの撹乱作用を引き起こすことから、その化学物質を「環境ホルモン」と呼んでいます。
正式には内分泌撹乱化学物質といわれ、生殖機能の破壊、ガンの発生はじめ、さまざまな形で健康を蝕む事実が、徐々にわかってきました。 化学物質が人間にもたらす毒性として問題になってきたのは、どのぐらいの量で致死性があるかを示す急伸毒性、長期間摂取したときに被害が起きる慢性毒性、発ガン性を増大させたり遺伝情報に影響をもたらす遺伝毒性でした。
それらは、細胞に直接ダメージを与えたり、遺伝子を傷つけることによって起こる毒性です。 これに対して環境ホルモンの場合は、ホルモンを撹乱することで引き起こされる、これまではまったく想定していなかった毒性であり、従来のは通用しません。
こうした現象は最近、広い地域とさまざまな生物種で見られています。 なかでも深刻な問題として指摘されているのは、次の三点です。
第一に、種囚杷滅をもたらす危険性がある生殖遜悠能の異常です。 第二に、母親が摂取したものが胎児に作用したり、乳幼児ほど被害を受けやすいうえ、精子の減少のようにおとなになってから影響が出てくることです。
第三に、ホルモンは生物や人間の活動を基本で支えているため、免疫力の低下、それにともなう健康障害、行動の異常などとの関連が懸念されています。 で、3人の著者たちは、自然界に広がっている数々の奇妙な現象を紹介しています。
私たちが考えていた以上に、自然界の異変は進行していました。 2月にまとめられたアメリカの環境保護庁の報告7月に出された日本の環境庁の中間報告でも、化学物質が野生生物にもたらしたと思われる異常現象が、数多く報告されています。
農薬は、虫や細菌を殺し、雑草を枯らすために意図的に展・散布され、毒ガス兵器を応用したものも少なくありません。 したがって、強い毒性を基としたものがほとんどです。
一方、環境ホルモンとして働く化学物質の場合、大半は思いがけない形で影響が広がっています。 しかも、ホルモンはわずかな量で体の基本的な活動を錘対しているため、これまでは問題にならなかった1兆分の1というようなごく低い毒性レベルでも大きな障害を与える危険性があるのです。
では、実際にどのような事態が発生しているのでしょうか。 世界的に農薬やPCB(ポリ塩化ピフェニール)汚染が問題になったとき、さまざまな異変が報告されていました。

K大学のI教授がまとめた事例をもとに、紹介していきましょう。 年代なかばに、オランダでたくさんのメスのケワタガモが死亡しているのが見つかりました。
その烏たちの肝臓からは、通常よりずっと多くの化学物質が検出されました。 PCBが3倍、ディルドリンが3倍、DDTは倍だったそうです。
年には、イギリスとアイルランドの間にあるアイリッシュ海でウミガラスはじめ5万羽以上の海烏が死亡し、生き残った烏たちの約300倍ものPCBが検出されました。 PCBは、熱媒体や電気の紙極材などに用いられる有機塩素系の化合物。
西日本を中心に1万人以上が被害を受けたカネミ油症事件を引き起こした有害な物質です。 年に生産は禁止されたものの、いまなお水や土を汚染しています。
ディルドリンやDDTは有機塩素系の殺虫剤。 右望口性・残留性が強いため、年にすべての用途で製造・販売・使用が禁止されました。
DDTについては、イギリスで撒かれた。 1946年に、烏の性ホルモンに異常が起きて卵の殻をつくるカルシウムの蓄積が少なくなり、卵の殻が薄くなったことが報告されています。

アメリカでも、なかごろから、初めにかけて、西部のカリフォルニア州のアナカパ島に棲むペリカンの間で、ヒナがほとんど育たなかったといいます。 わずかに育った若烏の卵の殻も薄く親鳥が卵を抱くと壊れてしまう状能でした。
『奪われし未来』やアメリカ環境保護庁の報告では、次のような異常事態が紹介されています。 南部のフロリダ州では、つがいになったりヒナを育てることを止めてしまったハクトウワシが発見されました。
つがいの3分の2が巣づくりをしなくなったそうです。 カリフォルニア州のアメリカオオセグロカモメや五大湖のセグロカモメの場合は、メスが増え、オスがわずかしかいなくなってしまった結果、次のが残せなくなりました。
メス同士のつがいによって子育てが行われているアメリカオオセグロカモメさえ見つかっています。 セグロカモメの多くには甲状腺の異常があり、ヒナの大量死も見つかりました。
いずれも、エサの魚に蓄積したPCBなどの化学物質の摂取が原因ではないかと考えられています。 フロリダ平蔦では、湖に棲むワニが激減しています。
もっとも汚染がひどいのはアポプカ湖で、近くに立地する農薬メーカーから殺虫剤のジコホル(ケルセン)やDDTが流れ出て湖を汚染した結果ワニのは大きなダメージを受けました。 ペニスが小さくなり、生殖能力が衰えたのです。
F大学のZ教授は、6割のオスワニのペニスが半分から4分の1になったと報告しています。 当然、生殖能力の低下は種を脅かすものです。
農薬は、メーカーの事故による以外に周辺の農地からも流入しています。 そして、DDTの代謝産物であるDDE、DDDも蓄積したと考えられます。
しかも、その汚染物質は、ワニの親から子へと世代を経て受け継がれていることも、明らかになりました。 汚染の影響は、ワニだけにとどまりません。
アポプカ湖では、アカミミガメのオスがほとんどいなくなってしまったと報告されています。 調査すればするほど異常はあとをたたず、さまざまな生物を危うくしていると思われるのです。

アザラシやイルカの大量死年、北ヨーロッパの各地では、アザラシの大量死が相次ぎました。 力の低下が原因で、ウイルスに冒されたからだと思われます。
同時に、PCBなどの汚染が原因で出産数が少なくなったのではないかと推測されています。

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